2013/05/30

今宵、古き同僚と飲み交わす~積丹にて~

その店は繁華街から隔てた住宅街に、ひっそりと佇んでいた。外観は小料理店のようだが、扉をあけて入ってみると、広い板の間と太い柱と梁が料亭の雰囲気を醸し出していた。女将によれば、ここはかつて旅館だったそうで、料亭と勘違いした理由に納得がいった。席に着き、運ばれてくる女将お勧めの料理を口に含むと、魚介そのものの素材の旨み、新鮮ゆえの歯ごたえ、舌ざわりを感じないわけにはいかない。この店を出てから、遠い過去の創作と称して流行の奇をてらう濃い味付けの訳は、材料の鮮度を誤魔化しているのではないだろうかと思えてくる。純朴な料理の素材は鮮度が命であるということを、改めて思い知らしめてくらる料理店であった。

御勝手口を入り口だと思い込んでいたら、奥まったところに暖簾が見える。
らっせら、らっせら…
身の張り具合は、先ほどまで生きていた証を感じ取ることができます。
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