ホンダというメーカーは、いつも僕たちに「情熱」と「未完成のロマン」を同時に届けてくれます。彼らの開発精神は常に先進的で輝かしいものですが、その裏には歴史的に繰り返されてきた切ないセオリーが存在します。
それが「新技術の詰まった初代(初期型)で熱烈なファンが人柱になり、2代目や後期型で完璧な傑作が完成する」という熟成のループです。
代表的な「人柱」たちの歴史
- 初代フィット(GD型):
センタータンクレイアウトという革命的なパッケージで世界を驚かせたものの、CVTの発進クラッチが悲鳴を上げ、発進のたびに車体が「ガガガッ!」と激しく打ち震えるジャダー現象を連発。オーナーは期せずしてマッサージチェアのような振動に耐える羽目になりました。2代目(GE型)でトルコンCVTに刷新され、ようやく平和が訪れます。
- 初代N-BOX(JF1型):
「軽のスペースを極限まで広げる」という野心のもと、1トンの巨体に660ccの超小型CVTを組み合わせるカツカツ設計を敢行。限界までマージンを削った結果、ベアリングの金属剥離による「ジャージャー」「シャンシャン」という賑やかな金属異音が全国で大発生しました。この手痛い勉強代を経て投入された2代目(JF3型)は、嘘のように静かで壊れない大傑作へと進化を遂げます。
- 3代目フィット(GK型)&初期i-DCD採用車:
新開発の7速デュアルクラッチ(i-DCD)を鳴り物入りで投入するも、制御プログラムの熟成不足から怒涛のリコールラッシュを記録。交差点でギアが入らなくなるスリルを初期オーナーに提供することとなりました。しかし、度重なるアプデを経たマイナーチェンジ後期型では、驚くほど洗練された名機へと化けました。
「ホンダ病」と付き合うための心得
ホンダのエンジニアは、テストコースで理論上の性能が出ると「これで完璧だ!」と少年のように目を輝かせて市場に送り出します。しかし、現実は厳しいもの。ユーザーのタフな日常使いや微細な個体差という「現実の壁」にぶつかってからが、彼らの本当の熟成期間(つまり市販後の人柱期間)となります。
- 他社(トヨタなど): 「1.5倍の安全マージンで絶対に壊さないが、ワクワク感は控えめ」
- ホンダ: 「1.01倍の限界設計で世界一の室内と走りを実現するが、初期型は10万km付近で持病の定期預金が満期を迎える」
先進技術をいち早く味わう「開発協力金」として初期型を買うか、ホンダが失敗を反省して弱点を全て潰した「2代目・後期型」をスマートに手に入れるか。
「初代には手を出すな」——これはホンダを嫌っているのではなく、むしろホンダの挑戦的な性格を誰よりも理解している愛好家たちが辿りついた、最も安全で賢い教訓なのです。
人にとっては室内空間が巨大なのは荷物つめるからいいけど、5%しか許容しないマージンなんてマージン1.5~2.0倍のTOYOTAが見たらHONDAHONDARAって呆れるでしょう
ギリギリ攻めた耐久性では、福島第二原発防潮堤のように市場使い勝手は簡単に5%超えてきます
